FUZZ ORCHESTRA(ファズ・オーケストラ)の行くところ、唸るようなエネルギーが充満し、場の温度が3℃は軽く上昇する。イタリアのインディ・シーンでは、もはや知らない人はいないFUZZ ORCHESTRAが、桜咲く3月、初のジャパンツアーを敢行します。アグレッシブ、ドラマティックにアヴァンギャルド。ぼんやりしてると彼らが醸す熱狂に、「はらわた」ごと鷲掴みされ虜にされる、なかなかあぶない癖になるバンドです。ジャパンツアーを控えた2月、ローマ・インディの殿堂、Fanfullaで行われたFUZZのライブに、改めて痺れました。
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EXCLUSIVE!遂に日本上陸 FUZZ ORCHESTRA:ファズ・オーケストラ
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ローマのユダヤ人と難民の人々 : Shoah ショーア
ソ連の兵士たちによりアウシュヴィッツー強制労働収容所の扉が開かれ、囚われの人々が解放された1945年の1月27日。その日を、国連は「Shoah(ユダヤ語)ーホロコースト」の犠牲者たちを追悼するインターナショナル・メモリアル・デーとすることを、2005年に正式に認定(イタリアでは2000年から)しています。したがって1月27日には毎年世界各地で、ホロコーストの犠牲者たちを悼むさまざまな催しが開かれています。もちろんイタリアでも、その日を挟む数日間は、学校、美術館、図書館をはじめとする公共施設で、数多くの映画の上映や展示会などが開かれ、過酷な歴史のリアリティをもう一度、胸に刻む一日となっています(写真はローマの Ghetto -ゲットー地区の路地、壁を飾るユダヤ教のシンボル)。 Continue reading
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イタリア映画の新しいアイデンティティ
イタリア映画、文学、そして音楽に、並々ならぬ造詣を持つ二宮大輔氏の寄稿です。2016年には、キネマ旬報で「パオロ・ソレンティーノが仕掛けた迷路」と題して「現代のフェリーニ」と称されるソレンティーノの世界を評論。また、文学座、高橋正徳氏演出によるお芝居では、現代イタリア演劇の原点と言われるエドゥアルド・デ・フィリッポの、難解なナポリ方言が多用された戯曲『フェルメーナ・マルトゥラーノ』を翻訳するなど、まさに八面六臂の大活躍でした。その二宮氏が豊かな感性と鋭い視点で現代のイタリア映画の話題作をレビューします(写真は『透明の少年』より)。 Continue reading
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イタリア現代詩の神話、詩人ヴァレンティーノ・ザイケン:ロングインタビュー
ヴァレンティーノ・ザイケンは、イタリアの現代詩における重要な詩人のひとり、と同時にUn personaggio(ペルソナッジョ)としても名高い人物です。イタリア語の辞書で「Personaggio」という単語をひくと、①重要な人物、著名人、名士 ②(劇、小説の)登場人物 ③変わり者、特異な人物、という3つの意味が現れますが、ザイケンに関して言えば、そのすべての意味があてはまると言ってもよいでしょう。
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イタリア憲法改革・国民投票: Referendum(レフェレンドゥム)
いよいよイタリア共和国憲法の改革を問う『国民投票』の日を迎えました。イタリアのマスメディアは、過熱するだけ過熱し、フィナンシャル・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなどのグローバル経済各紙も、今回のイタリア国民投票の結果が、イタリアのみならず、欧州、そして世界に及ぼす影響を分析しています。「市場の反応はかなり悪い状況になりそうだ」と煽ったり、「いや、イタリアの政治不安は今にはじまったことじゃないから、Noー不承認が出ても市場は何も変わらない。イタリアの悪化した金融機関の状況は悪化したまま進んでいく」などと、好き勝手に報道しています。
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市民が撮るソーシャル・ムービー :リアクション・ローマ
MACRO Factory(マクロ・ファクトリー)に入った途端、見慣れているはずのローマのストリートの風景が広がり、スペースに充ちる不穏を孕む強烈な音響に、街の深層に迷い込んだような気分になりました。そう、そこにインスタレーションされているのは、ローマの住民たちの視線が捉えたリアルなローマの風景、そして今現在、街にじわりと漂う空気感と言えるでしょう。人々が自らの周囲の風景をモバイルやカメラを使って撮影したムービーを再編集、5つのカテゴライズでインスタレーションされた、ローマではじめての実験的「ソーシャル・ムービー」Reaction Roma。その指揮を執った映画監督であり映像作家の Pietro Jona(ピエトロ・ジョナ)に話を聞きました(写真はビデオインスタのひとコマ。 Misunderstories から引用)。
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高校生のスロー・インフォメーション:Scomodo No.0
なるほど。マニフェスト紙は、ローマの高校生たちの編集によるこの月刊誌、『Scomodo(スコモド:厄介な、迷惑な、邪魔な、気難しい)』を、「スロー・フード」ならぬ、「スロー・インフォメーション」と表現しています。スピードと軽さとインパクト、玉石混淆でWeb上を濁流となって流れ、巨大な渦になったかと思うと、瞬く間に消え去る無限の情報に、まさに「Webド真ん中世代」にいる高校生の有志たちが「待った」をかけたという現象です。超人気アンチグローバルFumettista(フメッティスタ:コミック作家)、ZeroCalcare(ゼロカルカーレ)デザインの表紙で、No.0がいよいよ登場しました。
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イタリアのテアトロをぶち壊したシモーネ・カレッラ
シモーネ・カレッラ(写真左から2番目)の芝居をはじめて観たのは2001年、ローマ市営の劇場、テアトロ・インディアで上演された『Peppe er Tosto(ペッペ・エル・トスト』でした。これはローマのディケンズと呼ばれるジョゼッペ・ジョアッキーノ・ベッリのソネットからインスパイアされた芝居で、テアトロと呼ぶにはあまりに大がかりなイベントでした。テアトロ・インディアの敷地全てを街角に見立て、数え切れないほど大勢の役者が縦横無尽に動き回り、あちらこちらで芝居が同時進行する、という度肝を抜かれるダイナミックな演出で、今でもその時の光景と、鳥肌が立つような興奮をありありと思い浮かべることができます。
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ローマ、「オリンピック、ノー・グラッツェ」五つ星運動、ヴィルジニア・ラッジ市長の決断
ヴィルジニア・ラッジがローマ史上初の女性市長として華々しく就任して、約100日。時間と闇、利権と癒着、虚偽と犯罪とゴミに覆われた、ローマという都市を正常に機能させる行政システムを構築するには、確かにかなりの荒業が必要とは想像していました。それでも飛ぶ鳥を落とす勢いの『五つ星運動』の新星、ヴィルジニア・ラッジ率いるローマ市政が、こんなに早い時期に、収拾のつかない混乱状態に陥るとは想像しませんでした。 Continue reading
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ローマの刑務所レビッビア、塀の中のシェークスピア:ジャンカルロ・ カポッツォーリ
ローマのレビッビア刑務所を舞台に、イタリア映画の鬼才タヴィアーノ兄弟が撮影したドキュドラマ映画、Cesare deve morire (邦題「塀の中のジュリアス・シーザー」ー2012年ベルリン映画祭金熊賞)では、シェークスピアを演じる受刑者たちの迫真の演技、全編に流れる生命の躍動に圧倒されました。レビッビアの受刑者たちが演じる芝居をいつかライブで見てみたい、と強く願い続けるうち、ようやくその機会に遭遇することになります。長い時間をかけて準備され、たった1日だけ公演された、受刑者によるシェークスピアの「オセロ」。演出家のGiancarlo Capozzoli(ジャンカルロ・カポッツォーリ)に話を聞きました。 Continue reading