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Author Archives: HirashimaMiki

Covid-19 との共存:ニューノーマルな毎日がはじまったイタリアの第2.2フェーズ

多少の混乱があるかもしれない、という予想に反して、意外にリラックスした雰囲気のなか、教会、いくつかの美術館、レストラン、バールをはじめ、ほぼすべてのお店が開き、控えめながらもローマには、少しづつ活気が戻りつつあります。なによりビーチが解禁になったことは、海に行けない夏など考えられないローマの人々にとっては、喜ばしいニュースとなりました。Covid-19の感染状況はといえば、大きな山は越したとはいえ、まだまだ予断を許さない状況ですから、今まで同様、厳格なソーシャルディスタンシングとマスク、手袋、消毒液など万全のウイルス対策を講じる、ニューノーマルでの再出発です。(写真は5月15日のトレビの泉。普段はトゥーリストで混雑し、身の置き場なく騒然とするトレビの泉前がサイクリングコースになる奇跡!という無人状態でした)。 Continue reading

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イタリアの春、Covid-19と共存する未知の世界へ : Build Back Better

ISS(国家高等衛生機関)と国家市民保護局から、毎日発表されるイタリア国内におけるCovid-19の感染状況データは、着実に好転していますが、予想していたよりもはるかにゆっくりとしたスピードです。犠牲者の方の数もなかなかゼロには近づきません。そこで予告されていた5月4日からのロックダウンの解除は一斉に!というわけではなく、経済活動の再開もしばらくの間は慎重を期され、業種、職種によって段階的に解除されます。眩いばかりの陽光が窓からなだれこむ、いますぐにでも出かけたくなる季節、われわれは人生はじまって以来の「ウイルスとの共存」という未知の春を迎えました。 Continue reading

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夜明けを待ちわびるイタリアの暗く、長い新型コロナの夜:We Shall Overcome

もちろん爆弾が飛び交っているわけではありませんが、見えない敵との厳しい闘いは、いまだ続いています。国家市民保護局とISS(国家高等衛生機関)により、毎日18時のプレスで発表されるその日のCovid-19の総感染者数の増加率が5%を切り、安定はしはじめても、なかなか好転しないデータに直面するたび、重く、張りつめた気持ちになる。暗いトンネルの中、長い道のりが目の前の闇に続き、遥か向こうに、うすぼんやりとした淡い光が見えては消え、消えては見える、希望と失望の繰り返しです。それでもここ数日は、ようやく感染状況が減少トレンドに入り、少なくともどこへ向かえば良いのか、出口の方向が見えてきました。

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2020.2.20 前触れなく訪れた新型コロナウイルスの拡大、ファイト、イタリア!

その日が来ることを、誰も予期していなかったと思います。もちろん毎日、世界中の新型コロナウイルス関連のニュースは流れていましたが、イタリアは安全圏にある、と信じて疑わなかった。前の日まで、司法改正法案を巡って連立政府内に対立が起こり、もはや日常と化した『政権崩壊危機』が連日報道されていたところでした。それが2月21日の朝突然、「昨夜ロンバルディア州のコドーニョ市で、38歳の新型肺炎患者が見つかったというニュースが駆け巡ったかと思うと、その後とどまることなく感染者が増え続け、たった2週間で、イタリアの日常はガラリと変わってしまいました(写真は再開したミラノ、ドゥオモ大聖堂)。 Continue reading

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『イワシ運動』効果が炸裂、投票率が倍になった州知事選とそれからのイタリア

1月26日に開催されたエミリア・ロマーニャ州知事選挙は、67.67%(!)という、まるで国政選挙を思わせる投票率となり、2014年に行われた前回の州選挙と比較して、約2倍の数字を記録しました。極右政党『同盟』マテオ・サルヴィーニが「この選挙こそ、『民主党ーPD』『5つ星運動』連立政府への国民の信任を試す試金石、いわば『国民投票』だ」、と大上段に挑戦状を突きつけ、これでもか、これでもか、とキャンペーンを張ったエミリア・ロマーニャ州知事選は、しかしあっさり『民主党』左派陣営に持っていかれることになった。ボローニャ、マッジョーレ広場から突如としてはじまり、今やイタリア全土を席巻する市民ムーブメント6000サルディーネ=イワシ運動が、この選挙に大きく貢献したことは言うまでもありません。 Continue reading

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『フォンターナ広場爆破事件』から50年、『鉛の時代』がイタリアに遺したもの

社会に渦巻いた憎悪、恐怖と不信。15年間377人犠牲者を出すに至った、イタリアの『鉛の時代』原点となった『フォンターナ広場爆破事件』は、2019年12月12日50年のメモリアルを迎えることになりました。それを機にジャーナリストや検事、歴史家が次々と本を出版。TVでは複数のドキュメンタリーが放映された。半世紀を経てもなお、公正な審判を求め、調査を続行するイタリアの執念を感じると同時に『100000サルディーネ』の出現に遭遇し、『鉛の時代』に打ちのめされた『革命』の魂は、その形を変え、静かに、ゆるやかに生き延びたのではないか、と思うようになりました。 ●タイトルの写真はAgenzia Fotogrammaより転載。Piazza duomo – funerale delle vittime della strage di piazza fontana ードゥオモ広場で開かれた『フォンターナ広場爆破事件、犠牲者の葬儀 (fotogramma / Treves/ Fotogramma, Milano – 1969-12-15) Continue reading

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誕生1ヶ月で、ローマ:サン・ジョヴァンニ広場を満杯にしたイワシ運動『100000サルディーネ』

サン・ジョヴァンニ広場はかなり広々としていて、5万人、6万人が集まる政治集会やコンサートでも、わりと自由に行き来できるのですが、10万人ともなると前進するのも、後退するのも、ほぼ不可能という状態になります。広場にたゆたう人の波。見渡す限りの『サルディーネいわしたち』が、思い思いに手作りした『クリエイティブいわし』をマニフェストして、歌ったり、踊ったり、暗くなるまでフェスタが続いた。ボローニャの広場からはじまって、たった1ヶ月ローマに10万人を集めるまでに急成長したアンチファシズム市民ムーブメントを発案したのは、エミリア・ロマーニャの青年たちとイタリア全国の仲間たち。前項「瞬く間にイタリア中に押し寄せたアンチサルヴィーニの魚たち『6000サルディーネ』の続編です。 Continue reading

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瞬く間にイタリア中に押し寄せた、アンチサルヴィーニの魚たち『6000サルディーネ』

ヴェネチアをはじめ、各地方が高潮で大きな被害を受けたり、欧州で最も規模が大きい鉄工所のひとつ、ILVA(イルヴァ)の現所有会社である多国籍企業Arcelor Mittal(アルセロール・ミッタル)が、突然契約を破棄すると言い出したり、このところのイタリアは、どんより重たいニュースに覆われていました。『イタリア民主党ーPD』と『5つ星運動』の連立政府は、双方どうも噛み合わず、そうこうするうちに極右勢力が勢いを取り戻しはじめ、このままひょっとしたら「総選挙に突入して 政権を奪還されるのでは?」とドキドキしていた。そんな時、まさしく海を泳ぐ魚たちのようにキラキラ光り輝き、しかも爆発的な勢い大群をなして現れたのが『6000サルディーネ』たちだったのです(タイトルの写真は、このムーブメントの発案者の登壇に喝采をあげるフィレンツェのサルディーネたち)。 Continue reading

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小説「パッショーネ」Passione

そもそもこのサイトをはじめるきっかけとなった小説、『パッショーネ』が、KindleiBooksで発売されることになりました。去年から予告していたにも関わらず、思いのほか長い時間がかかってしまったこの小説は、ローマの街角で起こった実際の事件をヒントに、架空の人物、状況を設定し、再構築したミステリー・フィクションです。そこでほんの少しだけですが、一章の半分をこのサイトで公開させていただくことにしました。もちろん、『鉛の時代』のリサーチをはじめ、ローマの人々のインタビュー、出来事を掘り下げるこのDeep Romaは、これから先も今まで通り、ああでもない、こうでもない、と続けていく所存です。

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貧しき者たちに寄り添い、『インテグラルなエコロジー』を世界に訴えるフランシスコ教皇

最近のイタリア政治には少し暗雲が漂っていますが、まもなく教皇が日本を訪問されるので、キリスト教やローマ・カトリック教会のこと、そしてフランシスコ教皇が日頃おっしゃることなど、改めて考えたり、調べたりしてみました。なにより深く感銘を受けるのは「貧しき者たちによる、貧しき者たちのための教会を」とおっしゃって、社会で最も弱い立場にある人々に常に寄り添い、消費主義=『廃棄文化』に誘発された環境破壊と気候変動が、地域社会、ひいては世界の均衡を大きく崩している、とご指摘なさることです。わたしはカトリックの信仰者ではありませんし、一神教には懐疑的ではあっても、教皇のおっしゃることには強い共感を覚えています(写真は、いつの頃からかローマの地下鉄スペイン広場駅に描かれたグラフィティ)。
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