イタリアが一気に不安定化しはじめたのは、1992年、史上最大のマキシ・プロチェッソ(マフィア大裁判)を牽引したふたりの検察官、ジョヴァンニ・ファルコーネとパオロ・ボルセリーノを、想像を絶する破壊力を持つ大規模爆弾で次々と失った頃からです。国家に対して「戦争を仕掛ける」までの巨悪に膨れ上がった「コーザ・ノストラ」の爆弾テロは留まることなく、1993年にはシチリアからフィレンツェ、ミラノ、ローマとイタリア本島全域に攻撃のテリトリーを拡大しました。これらの複数の爆発は、多くの無辜の市民を犠牲にしただけでなく、イタリアのアイデンティティである美術品、建築物、教会を破壊することになり、その混乱の裏側で、イタリアは大きく変わろうとしていたのです。戦後から『鉛の時代』を経て、冷戦の終結まで続いた、俗にイタリア第1共和国と呼ばれる時代は、大衆文化、風俗、価値観の大転換を促したイタリア第2共和国と呼ばれる時代へと急展開することになります。 Continue reading



