参考)時系列で見る、Covid 19感染拡大までの動き
『Repot』、ラ・レプッブリカ紙を参考に、今までの経緯を時系列で追っていきたいと思います。現在分かっているだけの情報を総合すると、Sars-CoV-2の発生は10月の終わりか、11月の初旬と考えられるそうですから、12月28日に中国の第1感染者が発見されるまでの2ヶ月は完全に『空白』となっているわけです。
数日ごとに変わるWHOのプロトコルを無視し、独自の方法でヴェネト州の感染対策を指揮。徹底したPCR検査と抗体検査で感染を最小限に抑えたウイルス学者アンドレア・クリサンティによると、ロンバルディア州、コドーニョで第1感染者が確認された2月20日の時点で、実はすでに3%の感染者が存在していたこと(ヴォー・エウガネオ市モデルのデータから)が明らかになっているそうで、クリサンティも中国、WHOの情報、及びデータは「まったく信用できず、当てにならなかった」と語っています。
なお、中国の物流、交通のハブとなっている武漢はフランス人の滞在が最も多い州で、フランスの中国投資の40%が武漢に集中しているそうです。米国とフランスが出資した武漢のウイルス研究所BRL-4は、ジャック・シラクが大統領だった時代に、中国との友情の証として贈られています。
そのBRL-4ではフランス・中国共同で研究が行われる予定となっており、フランス側から500万ユーロの予算が用意されていましたが、結果的には明確な理由がないまま、フランスの研究員はすべて排除され、研究には参加できなくなりました。マクロン大統領が「中国はすべてを明らかにしていない」と発言した背景には、このような経緯があるということです。
2019年10月18日ー27日
中国、武漢で世界軍人競技会が開催される。イタリアのフェンシングの選手が帰国後、長期間、酷い風邪に悩まされ、肺炎が進行したことを告白。現地で同室だったチームメイトも呼吸に問題があったと報告したが、防衛省は事実ではない、と否定。また、フランスの選手ふたりから「チーム全員が具合が悪くなったが、それほど心配しなかった」との報告もあったが、やはりフランス軍部は否定している。
2019年11月28日
感謝祭の日の前後、インテリジェンスの慣例報告で、まだ名前を持たないウイルスによる疫病の可能性が、米国トランプ大統領に警告されたが、中国ー米国間の関税の合意に向けて調整していた時期でもあり、大統領の注目は得られていない。
12月26日
武漢の地域診療所で、Sarsの特別医師団に参加した経験を持つ女医が、高齢のカップルの診察で、いずれも熱がなく、咳がないにも関わらず、CTスキャンで異常な肺炎が発生していることを確認。翌日、武漢の海鮮マーケットに店を出す人物から同様の肺炎を確認。女医は武漢の感染症管理センター(中国のCDC)に報告。
12月27日
フランス、パリの北部にあるBobignyで、28歳のAmirouche Hammarが、それがCovid-19とは分からないまま救急病院の集中治療室へ入院。当時、医師が行ったPCR検査から、のちにフランスにおける複数の第1患者のひとりであることが判明。Hammarが発病したのは12月20日。武漢ーフランスのダイレクトフライトがある空港の近くで、旅行者が立ち寄るスーパーマーケットで働いていた妻からの感染の可能性が指摘されている。
12月27日
武漢中央病院が広東の民間研究所より、65歳の患者の分析結果として、新種のコロナウイルスとの報告を電話で受ける。
12月30日
武漢中央病院の別の女医(Ai Fen)が、北京のビオ・メッドラブより別の患者の分析結果として『Sars』であるとの報告を受ける。この時点での初期の感染者の大部分が、ジャコウネコなどの野生動物をも売買する海鮮マーケットと関わりのある人物であることが判明する。
同日、武漢の衛生管理局が、域内の医療機関に注意を喚起。これが中国におけるはじめてのオフィシャルな動きだったが、その注意喚起の書面は、許可なく「疫病の情報を流布すること」を禁止していた。Ai Fenは暗号メッセージで、新しいコロナウイルス『Sars 』の出現を同僚に知らせるが、のちAi Fenはフェイクを流布したうえ、医療機関を不安定化させたと強く叱責される。
中央武漢病院内で交わされていたその情報を、眼科医Li Wenlingが受け取り、中国のSNS、WeChatで「家族や自分の周囲の親しい人々にのみ伝えて、このグループ以外への多言はしないでほしい」として情報を共有。
この情報がたちまちのうちに武漢のみならず、中国の他の地域に拡散されることになった。武漢に家族とともに長期滞在するイタリア人経営者のスマートフォンにもメッセージが届き、「その日のうちに武漢の街中にパニックが広がって、マスクが売り切れとなった」と回想している。Li Wenlingは誤解を招く情報を流したとして、同僚8人とともに逮捕されたのち、Covid-19に罹患。2月7日に死亡し、のち中央政府はLiの逮捕に謝罪し、真実を伝えようとした英雄として、中国の市民たちにシンボライズされたことは記憶に新しい。
30日には、上海に滞在していた武漢のウイルス研究所のコウモリのコロナウイルスのエキスパートである石正麗が直ちに武漢に戻るよう要請されている。のち、研究所に存在するすべてのコロナウイルスと新しいコロナウイルスを照合する作業を行うが、該当するものはない、と報告。
またこの日、ドイツ政府はドイツ中央衛生機構RKIから「武漢の海鮮マーケットから発生した病原が不明な肺炎発生」のメイルを受け取っている。すでに12月下旬にはドイツのインテリジェンスが武漢で発生した疫病を政府に報告していた。
さらに12月30日、31日フランスマクロン大統領も外交筋、及びインテリジェンスより疫病発生の報告を受けたが、中国が武漢を封鎖する1月23日まで何の行動も起こしていない。
12月31日
WeChatから「疫病」「握り潰す」「中央政府」「地域権力機構」など132の言葉が削除されたことをトロント大学がリサーチ。
同日、中国はWHOに、前例のない肺炎を報告。このときの報告はヒトーヒト感染を否定した上で、厳重なコントロール下にあるとされていた。
1月3日
中国の衛生管理局が、患者の分析結果を破壊するように通達。この時点で公式な患者数は41人と発表されているが、疫病をコントロールできていないことを隠蔽するために、この日から患者数は数えられていない。
一方、2017年、現WHOテドロス局長に総会のオブザーバーから排除された台湾は、中国のWHO報告を受け、中国から国内に入る旅行者すべての検温を、この日から開始。マスクの着用を推奨し、結果Covid-19の封じ込めに成功している。台湾だけではなく、ヴェネト州など、はじめからWHOの指針に従わなかった地域が、感染の安定化に成功するという結果となった。また、WHOはごく最近まで、マスクの着用に感染防止の効果はないとしていたが、台湾の例からもそれが正しい情報ではなかったのでは?と疑問が噴出している。
1月5日
上海パブリックヘルスクリニカルセンターが、コロナウイルスの分離に成功し、中国の国家衛生管理局にただちに適正な予防策と管理を行うことを、局長が要求している。
1月9日
米国WSJ紙のスクープ報道ののち、武漢で新型の疫病が発生したことが中国から公式に発表される。
1月11日
上海パブリックヘルスクリニカルセンターが、インターネット上でウイルスのゲノムのデータベースを公開するが、1月12日、その上海パブリックヘルスクリニカルセンターそのものが中国中央政府より閉鎖される。
この日、新型ウイルスによる最初の犠牲者が、中国から公式に発表される。WHOは中国の迅速な対応を「エピデミック管理の能力の向上」として称賛。
1月12日
WHOは中国への強固な信頼を改めて強調し、「新型肺炎が海鮮マーケットから発生したことは明らかであり、ヒトーヒト感染がないことは明白だ」と発表。WHOはこのまま1月末までヒトーヒト感染を認めなかった。
1月15日
WHOが「ヒトーヒト感染は限定的なもので、家族感染が潜在する程度のもの」と発表し、改めてヒトーヒト感染の危険性は低いとした。
1月18日-19日
6日から17日に開かれていた武漢の政治会議が終わったのち、すでに公式にエピデミックが世界に公表されていたにもかかわらず、春節に向け40000人を招待しての祝宴が武漢で盛大に開かれた。
1月23日
武漢がロックダウンとなるが、その数日前から500万人が春節の里帰りのために武漢の外へと移動した後だった。この時点でもWHOは『緊急事態宣言』を布告しなかったうえ、国境を超えた通商、人の移動をまったく制限していない。
1月25日ー2月1日
武漢の企業家がSNS上に、8体の亡骸を撮影したビデオを投稿するが、その後企業家の行方が分からなくなる。
1月15日ー1月30日
WHOの世界の医療機関に向けての診療指針となるプロトコルが、この間に5回以上変更され、医療の現場が混乱。
1月29日
WHOが中国の対応を絶賛。
1月30日
WHO、ようやく世界に向けて『緊急事態宣言』。
2月5日
政府のサイバー警察による、国内不安定化をもたらし、恐怖を煽るニュースの取り締まりがはじまる。活動家、ジャーナリスト、ブロガーなどが次々と逮捕され、行方不明となる。中国の『人権』保護団体によると、政府により圧力をかけられたケースは897件に及んでいる。
2月20日
イタリアで第1患者が確認される。のちの調査で、イタリアにSars-CoV-2の感染が確認されるのは、少なくともこの7週間前とオフィシャルに発表された。
3月11日
WHO、ようやく『パンデミック』宣言。
3月16日
広範なPCR検査、マスクの着用の有効性を公式には発表しなかったWHOが、「テスト、テスト、テスト」と発言。検査の重要性を認めるまで、こうして1ヶ月半の空白が生まれることになった。