シモーネ・カレッラ(写真左から2番目)の芝居をはじめて観たのは2001年、ローマ市営の劇場、テアトロ・インディアで上演された『Peppe er Tosto(ペッペ・エル・トスト』でした。これはローマのディケンズと呼ばれるジョゼッペ・ジョアッキーノ・ベッリのソネットからインスパイアされた芝居で、テアトロと呼ぶにはあまりに大がかりなイベントでした。テアトロ・インディアの敷地全てを街角に見立て、数え切れないほど大勢の役者が縦横無尽に動き回り、あちらこちらで芝居が同時進行する、という度肝を抜かれるダイナミックな演出で、今でもその時の光景と、鳥肌が立つような興奮をありありと思い浮かべることができます。