Category Archives: Intervista

ようこそ、宇宙へ。深淵かつおおらか、これぞローマの書店 Libreria A. ロトンディ

信念愛情を持って集められたが並ぶ書店が、わたしは大好きです。選び抜かれた古書、あるいは専門書を扱うちいさい書店の、ショーウインドーに並ぶ本のタイトルを眺めるだけで、今まで知らなかった異次元の世界を垣間見るような気がします。ガラス扉を開いた途端、古いインクと紙の匂い、スペースにひたひたと充ちる本の魂に、ふわりと全身が包みこまれる。これこそ「ローマの書店」と呼びたいLibreria A. Rotondi(リブレリア・A・ロトンディ)を久しぶりに覗いてみました。 Continue reading

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ローマの骨董修復のマエストロ: マウリツィオ・ボナミーチ

わたしがやってきた頃のローマの街角には、アルティジャーニ(アルチザン)と呼ばれる、昔ながらの骨董の修復工房鍛冶工房木工工房があちらこちらに存在し、工房の前を通ると金槌の音や電動ノコギリの音が響く路地に、ニス匂いが漂ってきたものです。そしてその、長年の経験と直感、指の感触で、時を経たオペラ(作品)を蘇らせる職人、何でも修繕してくれる木工職人とボッテガ(工房)の存在が、魅力的で頼もしい、街角の自然でもありました。 Continue reading

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音楽シーンを劇的に変えた、ローマ、ピニェートの音楽革命: ファンフッラ

前々から、インタビューしたいと思っていたMan(マヌー)にようやくじっくりと話を聞くチャンスに恵まれました。十数年前までは、散歩するのがためらわれるほど、殺伐と荒れた空気が流れる、うらびれた地区だったピニェートが、あれよあれよという間にローマの若者たちの間で「Fico(cool)!」と話題になる、音楽に溢れた街角になりました。しかもピニェートのその動きからローマのインディ・シーンは激変。マヌーはその変貌の背後に、ひそやかに、しかしブリリアントに存在する人物です。 Continue reading

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ローマ郊外にグラフィティで光を取り戻すアートゲリラ:カルロ・ゴーリ

80年代ニューヨークのカウンターカルチャーとしてはじまり、今や世界じゅうに広がった「ストリートアート」、あるいは「グラフィティ」と呼ばれるアートムーブメントは、ここローマの、特に郊外では、まったく普通の街角の風景となっています。どこに行けばどんなグラフィティが観れるか、マップを作って新たな観光名所としてプロモーションする、という状況でもあり、ローマには「欧州のストリートアートのセンター」になる、という壮大な野望もあるようです。

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旅するマルチメディア作家 フィリッポ・カルリ

すごい、と感心するような逸話がさまざまある人物ですが、書き始めるとかなり長くなりそうなので、また別の機会にこっそりまとめたいと思っています。なにはともあれ、フィリッポ・カルリは映像、写真、絵画、詩、とマルチにこなすアーティスト。あくまで気楽に、どこか真剣味なく、しかし思い切りよく「生き抜く力」を教えてくれる人物です。了解を得て、彼の作品のいくつかを紹介させてもらうことにしました。 Continue reading

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芸術家ディエゴ・マッツォーニとフラミニオで

街を散歩するにはちょうど気持ちよい季節。画家、そしてミュージシャンでもあるディエゴ・マッツォーニと一緒にフラミニオ地区を歩いてみました。というのも彼に会うたび、その繊細で、ちょっとマジカルな視点に、なるほど、このようにローマに接するともっと多くのことが見えてくる、とおおいに学ぶことがあるからです。また、子供のころ、『鉛の時代』をライブに過ごした彼の記憶から、街角に充満していたその時代の空気を、多少とはいえ、窺い知ることもできました。 Continue reading

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Leaと行くヴェネチア・ビエンナーレ

2日間という短い時間でしたが、ローマを離れ、ジュネーブ在住のイタロフランセ(仏伊国籍を持つ)のアーティスト、Lea Tania Lo Cicero(レア・タニア・ロ・チチェロ)とヴェネチア・ビエンナーレに行きました。ビエンナーレのあり方については、多少批判的な気持ちもなくはない、のですが、それでも2年に1度のお祭り、世界各国から集まったアートのラビリントで迷う「非日常」はなかなかえがたい体験です。 Continue reading

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ローマ大学サピエンツァに通うジュリア・リサーリに、政治のあり方、宗教に関する忌憚のない意見を聞く

ここしばらく、アンダーグラウンド・ワールドの、どちらかというとコアな人物へのインタビューが続いたので、若いお嬢さんともお話ししてみよう、と最近知り合った大学生にインタビューをリクエストしてみました。今年の9月から大学生になったばかりのジュリア・リサーリに、ローマの若い世代は毎日どんなことを思いながら過ごしているか、日常を尋ねてみます。 Continue reading

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『鉛の時代』:ANSA通信特派員 ベニアミーノ・ナターレに聞く

イタリアの通信社ANSAの特派員、ベニアミーノ・ナターレ氏。長期間に渡ってインド、中国、イタリアを往復するアジアのエキスパートに、ご自身も大きく巻き込まれた『鉛の時代』、ドラスティックな変容を遂げた政治闘争について語っていただきました。 Continue reading

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『鉛の時代』:革命家から映画監督へ パオロ・グラッシーニ Ⅱ

自らのそばにいた友人ネオファシスト射殺される、という凄まじい政治闘争の真っ只中を生きた映画監督、パオロ・グラッシーニ。話の節々に、Kakubo(角棒)であるとかGebabo(ゲバ棒)などという特殊な日本語が飛び出して驚かされました。 Continue reading

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