Category Archives: Eccetera

小説「パッショーネ」Passione

そもそもこのサイトをはじめるきっかけとなった小説、『パッショーネ』が、KindleiBooksで発売されることになりました。去年から予告していたにも関わらず、思いのほか長い時間がかかってしまったこの小説は、ローマの街角で起こった実際の事件をヒントに、架空の人物、状況を設定し、再構築したミステリー・フィクションです。そこでほんの少しだけですが、一章の半分をこのサイトで公開させていただくことにしました。もちろん、『鉛の時代』のリサーチをはじめ、ローマの人々のインタビュー、出来事を掘り下げるこのDeep Romaは、これから先も今まで通り、ああでもない、こうでもない、と続けていく所存です。

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永遠の都ローマの著しい荒廃は、本当に市長ヴィルジニア・ラッジのせいなのか

イタリアの国政は懸案の国家予算案を含め、アゼルバイジャンからトルコ、イタリア北部を結ぶガスラインTAP、フランスとイタリアの国境を走る超高速列車TAVの建造、また事実上の「移民難民排斥」法であるサルヴィーニ法案や長い裁判などで生じる『時効』の廃止を巡る葛藤、さらには稀にみる悪天候で全国に多くの被害が続出し、紛糾が続いています。しかしながら今回は、国政はとりあえず「要観察」にしたまま、みるみる荒むローマについて考えてみることにしました。比類なき美しさを誇る永遠の都市は今、中心街からちょっと外れると、壊れた車(!)、冷蔵庫、マットレス、ソファなどの粗大ゴミが置き去りにされ、街角のゴミ収集カセットは常に溢れかえって「分別」どころの騒ぎではありません。

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『同盟』『五つ星運動』イタリア第3共和国、忍び寄るファシズムの悪夢

こうなるかもしれない、とおぼろげには予想していましたが、イタリアは政治的にも、経済的にも、倫理的にもダイナミックな動乱期にあります。3月の総選挙以来『5つ星』、『同盟』各党首の衝撃的な発言に振り回され、向こう3年の『国家予算案』を巡って激化する対立のなか、予想もしなかった逮捕劇が起こり、メディアは名指しで糾弾され、ホッとする暇がありません。政界は敵意と強情と緊張にすっぽり包まれて、欧州から孤立しながら、見切り発車の気配も漂う。毎日がアドレナリン漬けの『挑発』の連続で、「呑気で陽気でいい加減」という、イタリアのステレオタイプはすっかり影を潜めてしまいました(タイトルの写真は、ファシズムからの解放に歓喜する、パルチザンとして闘った女性たち。Patriaindipendente.itより引用)。 Continue reading

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2018 イタリアの不穏な8月:フィアット、モランディ橋の崩壊、そして難民の人々

9月の声を聞いて、今まで夏休みで閉まっていた大通りの店もひとつ、ふたつ、と緩やかに開店しはじめました。たっぷり遊んだ夏が溜息混じりに終わる、どこか気だるい空気が流れるローマではありますが、いつもはたいした事件も起こらないイタリアのヴァカンス期、今年はジェノヴァの『モランディ橋』の崩壊、という大事故が起こったせいで、その倦怠に多少の緊張感が漂っています。さらに感じるのは、欧州極右勢力のホープと見なされる、『同盟』マテオ・サルヴィーニの派手なスタンド・プレイに、極右グループが調子づいていることでしょうか。それに伴い対抗するアンチファシストのグループも活動活発化の様相を見せている。イタリアの8月を振り返ってみました。 Continue reading

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命がけで訪れる難民の人々の目前で、すべての港を閉じたイタリアの6月

99日間の長編組閣劇を経て、ようやく『5つ星運動』と『同盟』の契約連帯によるジュゼッペ・コンテ政権が誕生。とりあえず胸をなでおろしたのも束の間のことでした。『同盟』のマテオサルヴィーニ内務大臣が就任早々、「合法でない移民、難民はすべて自国へ帰ってもらうことにする」と爆弾宣言、「選挙戦でのプロパガンダならともかく、内務大臣がそのような、非現実的な発言をすべきではない」と批判されていた矢先の6月10日、大臣は現実に難民の人々を乗せたNGOの船『アクアリアス』上陸にまさかの拒絶を行使。今後、イタリア全国の港であらゆるNGOの船が拒否されることになり、大きな衝撃が走りました。 Continue reading

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山場を迎えたイタリアの組閣:『五つ星運動』は他勢力との連帯に成功するのか

ついにイタリアに政府が樹立した!という項にする予定でしたが、待てど暮らせど結果が出ない状況に、痺れを切らして途中経過を書くことにしました。イタリア国内の政治地図を塗り替えた3月4日の総選挙の後、もはや50日もの膠着状態が続いたイタリアの組閣が大詰めに近づく気配は、なんとなく漂っています。過半数に満たない第1党『5つ星運動』が、他勢力とのドイツ式の契約連帯による組閣を模索し続けてはいても、あちらを立てればこちらが立たず、「すわっ!『五つ星』と『同盟ーレーガ』、あるいは『右派連合』の連立か」「いや、『民主党ーPD』との連帯の可能性もある」「組閣は無理。どうにもならない」とみなが好き勝手に未来を予測、次から次に情報が錯綜し、何がどうなっているのか混乱状況が続く中での山場です。(写真はイタリア新政府を静かに待つキージ宮) Continue reading

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2018年 3月 どうなる イタリアの春 : 雪と選挙と『五つ星運動』 

2月末から欧州中に吹き荒れたシベリア寒風ブリアンが、地中海沿岸地域の南国をも掠めて大雪となり、雪慣れしていないイタリア南部は、鉄道も高速道路も乱れに乱れ、大騒ぎになりました。スーツケースを引っ張りながら「ボルツァーノからローマまで26時間もかかるとは。こんなの普通じゃ考えられない。イタリアはどうかしてる」と、声を荒げて文句を言う北部訛りの人や、「雪が解けたのに、まだ3時間待ちなんて!」と、電光掲示板を見上げて苛立つ若者たちのグループ、ビジネスマン、外国人トゥーリストで、テルミニ駅は身動きが取れないほどの人、人、人。一時は大混乱にもなり、ニュースによると午前中の空の便にも遅れが出たようです。 Continue reading

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クリスマス・シーズンに可決した人生最期の『自由』に関する法律:Biotestamento

2017年もあっという間に暮れようとしています。今年は世界のあちらこちらで一触即発の雰囲気が醸され、このまま世界は一体どこへ向かうのだろう、とじわっと不穏な風が吹く、そんなニュースが多い1年でした。それでも明日は明日の風が吹く。世界じゅうに幸せな2018年が訪れるような明るい風が吹くことを願いたいと思います。ともあれ、今年のクリスマスは、遂にイタリアの下院、上院ともに通過して可決した法案、Biotestamento ( デリケートなテーマなので、訳すのが難しいのですが、「生物学的遺言」、意訳すると「人生の最期の医療を自ら決める自由」というところでしょうか)のことを、少し学んでみることにしました。 Continue reading

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イタリア中道左派政党連合、「オリーブの木」L’Ulivoとは

『毎日カオスな政治祭り』にすっかり慣れ親しんだイタリアから見ても、「ええっ」と驚く、ここしばらくの日本の政治混乱に、遠くにいながら気が気でない、なんだか落ち着かない毎日が続いていることを白状せねばなりますまい。そんななか、かつて大きな勢いを持ったイタリアの中道左派政党連合L’Ulivo「オリーブの木」の名がネットに時々現れ、もちろん提案している特定の政治家を支持しているわけではなくとも、「そうそう、そういえばあった、あった」と記憶を新たにしました。そういうわけで、いまさらではありますが、元祖「オリーブの木」、イタリアの「オリーブの木」- L’Ulivo(ルリーボ)とはどんな政党連合だったのか、その概略を軽く追ってみようと思います。 Continue reading

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2017 ローマ 灼熱の夏:Vacanza Movida 水騒動 etc.

日本も暑い毎日が続いているようですが、今年のイタリアは6月中旬から35℃に達するという例年にない灼熱の日々が続いています。遂に8月に突入した今週は、サハラからの熱嵐、その名もルシフェル、が急襲し、40℃以上!という砂漠予報が続いているにも関わらず、今年はローマの中心街のどこを歩いても、昼も夜も人があふれている、という印象。もちろんローマの人々が海や山に出かける、本格的なヴァカンスシーズンを迎える時期なので、だんだんに人が少なくなるのかもしれませんが、いずれにしても、今年の夏のローマには例年以上の観光客が押し寄せている。 Continue reading

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