Category Archives: Eccetera

短編 「ローマン・アラベスク」Roman arabesque

ここ15年ほどの間に、世界中からの観光客だけでなく、アフリカ大陸、中東、東欧、アジアからの移民、難民の人々もたくさんローマを訪れるようになり、街の景色は少し変わりました。と同時に、さまざまな地域の宗教や文化、習慣や言葉が、古代ローマ帝国時代の遺跡、中世、ルネッサンス、バロックの建造物の間に間に、そこはかと漂うようになった。そこで今回は、たまには創作ものも、ということで、遺跡の風景にそっと漂う『魔法』の匂いを拾って、ロマン派風の『短編』にしてみることにしました。まったくのフィクションでお届けします。 Continue reading

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小説「パッショーネ」Passione

そもそもこのサイトをはじめるきっかけとなった小説、『パッショーネ』が、KindleiBooksで発売されることになりました。去年から予告していたにも関わらず、思いのほか長い時間がかかってしまったこの小説は、ローマの街角で起こった実際の事件をヒントに、架空の人物、状況を設定し、再構築したミステリー・フィクションです。そこでほんの少しだけですが、一章の半分をこのサイトで公開させていただくことにしました。もちろん、『鉛の時代』のリサーチをはじめ、ローマの人々のインタビュー、出来事を掘り下げるこのDeep Romaは、これから先も今まで通り、ああでもない、こうでもない、と続けていく所存です。

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『鉛の時代』諸刃の剣 Gladio

多くの無辜の市民の生命を奪い、若者たちの人生を狂わせた、陰謀と流血、虚栄と野望と絶望が渦巻くイタリアの『鉛の時代』。その物語を現在から俯瞰するうちに、先進国と言われる国々に住むわれわれが、かつて『終戦』を迎えた、というのは、実は幻想なのではないのだろうか、という感覚に陥ります。第二次戦争大戦ののちの冷戦下、朝鮮半島、ヴェトナムなどアジアの国々、南米各国、東欧、中東、そして『ベルリンの壁』崩壊後は中東、アフリカへと戦火の矛先は集中していく。われわれの日常からは遠くとも、爆音と燃え盛る炎は、この地球上から消えたことがありません。 Continue reading

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イタリア映画の新しいアイデンティティ

イタリア映画、文学、そして音楽に、並々ならぬ造詣を持つ二宮大輔氏の寄稿です。2016年には、キネマ旬報で「パオロ・ソレンティーノが仕掛けた迷路」と題して『現代のフェリーニ』と称されるソレンティーノの世界を評論。また、文学座、高橋正徳氏演出によるお芝居では、現代イタリア演劇の原点と言われるエドゥアルド・デ・フィリッポの、難解なナポリ方言が多用された戯曲『フェルメーナ・マルトゥラーノ』を翻訳するなど、まさに八面六臂の大活躍でした。その二宮氏が豊かな感性と鋭い視点で現代のイタリア映画の話題作をレビューします(写真は『透明の少年』より)。 Continue reading

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イタリア憲法改革・国民投票 Referendum

いよいよイタリア共和国憲法の改革を問う『国民投票』の日を迎えました。イタリアのマスメディアは、過熱するだけ過熱し、フィナンシャル・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなどのグローバル経済各紙も、今回のイタリア国民投票の結果が、イタリアのみならず、欧州、そして世界に及ぼす影響を分析。「市場の反応はかなり悪い状況になりそうだ」と煽ったり、「いや、イタリアの政治不安は今に始まったことじゃないから、Noー不承認が出ても市場は何も変わらない。イタリアの悪化した金融機関の状況は悪化したまま進んでいく」などと、好き勝手に報道しています。

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ローマ・オリンピック・五つ星

ヴィルジニア・ラッジがローマ史上初の女性市長として華々しく就任して、約100日。時間と闇、利権と癒着、虚偽と犯罪とゴミに覆われた、ローマという都市を正常に機能させる行政システムを構築するには、確かにかなりの荒業が必要とは想像していました。それでも飛ぶ鳥を落とす勢いの五つ星運動ーM5sの新星、ヴィルジニア・ラッジ率いるローマ市政が、こんなに早い時期に、収拾のつかない混乱状態に陥るとは想像しなかった。 Continue reading

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ローマに女性の市長 Virginia Raggi

MoVumento 5 stelle(五つ星運動)が、今回のイタリア統一地方選挙でこれほどの躍進を遂げ、現政権であるPD(民主党)が惨敗するとは、正直、思っていませんでした。まず、19日に行われたローマの決選投票では、市の相談役の経験があるとはいえ、まったく無名の弁護士、ヴィルジニア・ラッジが、PD候補者ロベルト・ジャケッティ32.03%に対し、67.17%という記録的大差の勝利。ローマ市では史上初めての女性、さらに37歳という最年少の市長が生まれることになった。

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変容する画家 Salvatore Pulvilenti

Salvatore Pulvirentiは、彼の描く絵のインパクトもさることながら、その飄々とした風情、柔らかい物腰と常に紳士的な振る舞いに、いつもほっとさせられる画家です。ここ数年、制作を停止、沈黙していたそのサルヴァトーレ・プルヴィレンティの展覧会が、久しぶりにbibliotheで開かれ、展示された作品を観た途端にあっと驚いた。魔術的な色彩が踊るプルヴィレンティ・スタイルからは想像できない、『空』をも感じさせる『墨絵』が壁の一面を覆っていたからです。 Continue reading

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PARIS

今朝、エレベーターで一緒になった階下に住むイタリア人紳士は「悲しい、恐ろしいことだ。しかしこれは欧米がやってきたことへの報いかもしれないじゃないか。われわれはこの状況、何が起こっても今まで通り普通に生きるしかない。いや、普通に生きる努力をしなくちゃいけない。じゃあ、また。今日もいい一日を」と達観した表情で早口で言うと、足早に仕事へと出かけて行きました。(写真 アンリ・カルティエ・ブレッソン)
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Leaと行くヴェネチア・ビエンナーレ

2日間という短い時間でしたが、ローマを離れ、ジュネーブ在住のイタロフランセ(仏伊国籍を持つ)のアーティスト、Lea Tania Lo Ciceroとヴェネチア・ビエンナーレに行きました。ビエンナーレのあり方については、多少クリティックな気持ちもなくはない、のですが、それでも2年に1度のお祭り、世界各国から集まったアートのラビリントで迷う『非日常』はなかなか得難い体験です。 Continue reading

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