命がけで訪れる難民の人々の目前で、すべての港を閉じたイタリアの6月

Deep Roma Eccetera Società Storia

99日間の長編組閣劇を経て、ようやく『5つ星運動』と『同盟』の契約連帯によるジュゼッペ・コンテ政権が誕生。とりあえず胸をなでおろしたのも束の間のことでした。『同盟』のマテオサルヴィーニ内務大臣が就任早々、「合法でない移民、難民はすべて自国へ帰ってもらうことにする」と爆弾宣言、「選挙戦でのプロパガンダならともかく、内務大臣がそのような、非現実的な発言をすべきではない」と批判されていた矢先の6月10日、大臣は現実に難民の人々を乗せたNGOの船『アクアリアス』上陸にまさかの拒絶を行使。今後、イタリア全国の港であらゆるNGOの船が拒否されることになり、大きな衝撃が走りました。

まず、この項の最後に、国際レベルでポピュラーになりつつある『極右+ポピュリズム文化』の有り様について、イタリアで見つけたちょっと気になる記事を要約したことを先にお知らせして、本項をはじめたいと思います 。

サルヴィーニ大臣が得意とする、人々に考える猶予を与えることなく、次から次に弾丸のように繰り返す人種差別的な衝撃発言及び非常識な行動は、はっきり言って、国内で人気をさらうため (あるいは大きな反発を生むため)の戦略的挑発撹乱行為ではないか、と考えるのが自然のように思います。数年前はともかく、今年のイタリアの「難民の人々」の受け入れ状況は、エマージェンシーではありませんでした。

さらに国連の統計によれば、移民の受け入れ数は、サルヴィーニが攻撃するドイツ、フランスの方が、イタリアを遥かに上回っています。 いずれにしても、トランプ大統領とよく似た、『世界人権宣言』に謳われる『基本的人権』の根幹を揺るがす差別発言と、敵とみなす人物、民族、組織への攻撃を繰り返すサルヴィーニが率いる『同盟』の支持率は、3月4日の選挙が終わって現在まで、ちょっと驚く勢い伸びている

しかしながら本来、莫大な財政赤字を抱えるイタリアで今なされるべき議論は、フラットタックスベーシックインカム、さらには消費税増税の中止、年金前倒しという政策を実行するために、財源をどこに見出せばいいのか、確実にプロジェクトすることなのではないか。そうは思っても、やっぱりわれわれ大衆は、目前で繰り広げられる、アドレナリン漬けのショーアップされた派手な動きに感情をかき乱される。

6月20日の世論調査では、若干支持率が下がり気味になりつつある『5つ星運動』を、『同盟』が0.2~1%ほどの僅差(各調査機関でばらつきがあるため)であっても、ついに追い越しました。今回の難民の人々の上陸拒否からはじまったサルヴィーニの強権姿勢に一気に国内外のメディアの注目が集まり、「フラストに満ちたイタリア国民との一体感」を醸す、親分気取りの気前よさと、『敵』とみなす者にはショッキングなほど意地悪で、極端な一挙一動に誰もが過剰に反応、巷は愛と憎悪と衝撃サルヴィーニ・ニュースだらけとなった。どちらかといえば行儀よく、真面目に論理的に行動しようと試みる『5つ星運動』の存在感を1週間で食ってしまった、という印象です。

政権が樹立して日も浅く、今後の各政党の動向如何で力関係がドラスティックに変わる可能性もあり、個人的にはそれを強く望んでいますが、サルヴィーニは内務大臣の職務以上の存在感と正当性 (?)を巧みに、大仰に主張し、政治の中心へと躍り出ることには成功した。身近なところでは、Facebookのタイムラインで「ええ? まさか、この人が」と思う知り合いまで、サルヴィーニの投稿に「いいね!」をしていたり、#chiudiamoiporti(すべての扉を閉ざせ)ハッシュタグで投稿をシェアしていたり、と意外な人の意外な日和見に、目眩を感じるほどでもありました。これこそが大衆迎合主義の魔法というものなのでしょう。

もちろん、今まで難民の人々の救援をサポートしてきた左派の知識人、メディア、NGOを中心に激しい反発、厳しい批判も巻き起こり、しかし突然の空気の変化に、眼前でいったい何が起ころうとしているのか、誰もがいまひとつリアリティが掴めないといった空気もあります。このような状況下において、唯一「救い」だったのは、6月22日からはじまったイタリアの高校の全国共通卒業試験で、ムッソリーニの『人種法』に関するテーマが扱われ、人間の平等、マス(大衆)のコンセプト、そして専制主義とグローバリズムに焦点が当てられた出題だったことでしょうか。

 

『同盟』の急激な躍進。コリエレ・デッラ・セーラ紙より。6月24日に行われた地方選挙の決選投票では、伝統的な民主党地盤、ピサ、シエナなどで『同盟』が大勝する結果となっています。

欧州の政治家で最も多いFbフォロワーを持つサルヴィーニ

思えばコンテ政権が樹立したその前後のことでした。カラブリアで暮らすアフリカ移民の青年が、自らが住むためのバラックを完成させるため、廃墟となった工場のトタンを剥がしていたところ、アフリカ人だという以外には何の理由もなく、突如として銃殺される、というショッキングな事件が起こり、嫌な予感とともに暗澹たる気持ちになりました。しかもその青年は合法的な滞在許可証を持ち、南部のアフリカ人の日雇いの人々で構成する労働組合にも加入していたのだそうです。彼が1日中働いて得るサラリーは時給2~3ユーロという、まるで1世紀前の話のような過酷な日々を送っていた。

世界の人々の観光気分を高揚させる、「呑気で陽気でヒューマン」な人々が住む、自然と芸術と歴史に彩られた『Bel Paese – 美しい国』イタリアのこんな側面もまた、紛れもない現実です。そしてその「呑気で陽気でヒューマン」、さらには牧歌的、とイメージづけられるイタリアの人々の多く、正確に言えば3.4人に1人が、移民排斥とホモフォビア、イタリア・ファーストを推進する『同盟』のマテオ・サルヴィーニを支持するようになったわけです。 しかしつい最近まで、イタリア北部の独立分離主義を主張し、『フォルツァ・イタリア』にぶらさがる弱小政党にしかすぎなかった『北部同盟』が、なぜ短期間のうちに、国際政治に影響するほどまでの影響力を持つようになったのか。

サルヴィーニのFacebookのフォロワーは現在268万人、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領を上回り、欧州の政治家では最もフォロワーが多いのだそうです (ラ・レプッブリカ紙)。 その投稿は、と言えば、ざっと見たところ、たいてい自撮りストリーミングでダイレクトにフォロワーに現状を説くか、大勢の支持者の前で英雄的に遊説をしているシーンをストリーミングするリアリティ・ショーか、今回のようなNGOへの入港禁止のキャンペーンを衝撃的にはじめるか、左派知識人、ジャーナリスト、言論人を名指しで嘲る、あるいは罵る内容か、移民やロムの人々を巡る攻撃的な発言です。しかもFacebookもTwitter、Instagramも休みなく、徹底的に更新され、あらゆる敵と丁々発止の「争い」も充実。人々の期待を裏切らない、感情剥き出しで垢抜けない、マッチョなレトリックは見事というしかない。

確かに近年、街角にアフリカ、あるいは北アフリカ、中東から訪れた移民、難民の人々の数が目に見えて多くはなりましたが、イタリアではイスラム国関係の大規模テロが起こったこともなく、市民有志で構成された数多くのNGOの難民の人々へのたゆみないサポートには目を見張るものがありました。難民という人種が違う、言葉も通じない、見知らぬ人々への多少の恐怖、警戒は人間なら当たり前のことで、NGOの船の上陸を拒絶しなければならないほどの強烈な切迫感は、少なくともローマにはありませんでした。

マテオ・サルヴィーニのレトリックは、もちろんフランスのマリーヌ・ルペン、ハンガリーのオルバン(6月23日にストップ・ジョージ・ソロス法案を可決させた)、そしてポピュリズムの大御所である米国のトランプ大統領のアプローチに、表面的にはとてもよく似ています。というより、うりふたつです。彼らにとっては、移民、難民、外国人、そしてLGBTもフェミニストも、さらには欧州連合も、ひとからげに社会の脅威。『憎悪』と『恐怖』という強い絆で一体となり、断固として闘っていかなければならない『』なのです。強固な連帯を築くためには、共通の『敵』が必要です。

リビアからの難民629人を乗せた船、『アクアリアス』拒絶の背景

今回イタリアが、正確にはマテオ・サルヴィーニ内務大臣が、受け入れを拒絶した『アクアリウス』という船は、そもそもはドイツ政府に属していた、という経緯がありますが、現在は難民の人々の救援のために国際NGOとして活動するSOS mèditerranèe(地中海)が貸借。貧弱なボートに無理やり押し込められ、遭難覚悟で地中海を欧州へ渡ろうとする決死の人々をリビア近海で救助、シチリアのランペドゥーサ島周辺へと運んでいました。現在までに1万人を超える人々を運んでいるのだそうです。

「難民をゴムボートに乗せて欧州に運ぶ『人身密輸ビジネスで大儲けしているリビア・マフィアは許しがたい。(リビア近海で遭難した)難民を助けるNGO(ジョージ・ソロスをはじめとする様々なグローバル企業がファイナンスをしていると言われ、国際シークレットサービスも絡んでいるかも、などと陰謀説まで囁かれています)がマフィアビジネスの片棒を担いでいるから、難民の航海が終わらないのだ。イタリアは難民キャンプではない。欧州各国がイタリアを見捨てるなら、イタリアも扉を閉じる」というのが、イタリア・ファーストを掲げるサルヴィーニの、今回の上陸拒否の大義名分でした。

2014年あたりから、突然に数が膨れ上がった難民の人々の問題は、そもそも欧州にとっては非常にデリケートな問題で、各国ともに頭を悩ませてきた。事実、リビアで難民の人々を乗せるボートをオペレーションするのは、『人身密輸』ビジネスで大金を得る凶悪マフィアたちで、地中海を渡って欧州へと逃げようとする人々から大金を巻き上げながら、ほとんどガソリンが入っていないボートに人々を押し込み、次から次へと船出させていました。2017年には5000人以上の人々が地中海で遭難して亡くなっています。

また、欧州には『ダブリン合意』があり、移民、難民の人々は最初に到着した国で合法化(難民、亡命者として登録)を申請、到着国が人々の責任を追う義務を課されます。その合意では、他国へ渡ろうとした移民の人々を、国境で阻止し、到着国へ突き返すこともできる。したがってイタリアの移民センターは、この数年の間に他のどの国にも行けない移民、難民の人々で満員となり、『不法滞在者』として、テントや路上で暮らさなければならない人々でいっぱいになったのは事実です。財政難のイタリアには難民を引き受ける充分なキャパシティがないうえ、法律的に彼らを合法化できず、難民の人々はイタリアを訪れながら滞在許可証なく路頭に迷うことになった。

しかしながら2017年、時の民主党政権が、船の出航を減少させるためにリビア政府、欧州各国と合意を結び、移民の人々の救出に当たるNGOの活動の大半を禁じたことで、イタリアに訪れる難民の人々の数は減少。2017年は前年比で78%~82%(主要各紙まちまち)も減少するという劇的な変化でもありました。

イタリア内務省のサイトから引用。難民の人々の数の変化。

もちろん、民主党政権のこのオペレーションは、たとえ地中海に飲み込まれたとしても、逃げ出すしか他に生きる道はない、と究極の選択で航海に挑む人々の状況をまったく顧みない、非人道的な対策!とイタリア国内で大きなバッシングを受けました。ヴァチカンもまた「難民として欧州を訪れるひとりひとりの貧しき人々に、キリストを見出す」と難民の人々の保護を強く訴えていた。

また、他の欧州各国が、地中海を渡って訪れる難民の人々の合法化とケアの大部分を、キャパシティ不足のイタリアに押しつけ、イタリアが訴え続ける『ダブリン合意』の見直しを無視してきたのも事実です。それでも前述したように、イタリアには難民の人々の生活をサポートする市民団体が数多く存在し、わたし個人は彼らの活動を知るにつけ、その無私の精神に裏づけられたヴァイタリティと行動力に感動することになりました。

そういう状況にあるイタリアで、サルヴィーニは不意を突くタイミングで『アクアリウス』の入港拒否をショッキングに宣言した。彼が直ちにSMSで#chudiamoiporti(すべての扉を閉ざせ)のハッシュタグを拡散させると瞬く間に賛同者が膨張、その有り様がイタリア国内だけでなく、欧州各国にも衝撃を走らせました。『アクアリウス』には629人の難民の人々、その中には保護者が同乗していない123人の未成年者、11人の子供、7人の妊婦さんが上船していました。

結果、イタリアが入港を拒絶したことで、政権交代したばかりのスペインが受け入れを表明し、一方フランスは、のちに撤回しましたが「受け入れがたい、吐きたくなるようなことだ」とTwitterで即座に反応しています。ドイツは、と言えば「今までイタリアにばかり負担をかけすぎた」と『ダブリン合意』の見直しに多少の歩み寄りを見せました。したがって、そもそも『ダブリン合意』の見直しを求めていたイタリアにとっては、このサルヴィーニの暴力的な決断が政治的にはある程度成功した、という形にはなった。

コンテ首相はその後、パリとベルリンを訪問、難民の人々に関して、今後(東欧諸国を含む)欧州各国が分担して支援を行い、地中海のコントロールを強化するという約束を結び、現時点では話し合いが継続されることになっています。しかし一旦はうまくいくように思えた交渉も、ドイツ国内、フランス国内でイタリア新政府の強硬姿勢に不満が爆発しはじめ、成り行きによっては欧州分裂火種になるかもしれない、とも見なされはじめました。早速マクロン大統領は「ポピュリズムはハンセン病(明らかな不適切発言)みたいに大きくなるものだ。イタリアの難民問題はエマージェンシーではない」とイタリア政府を侮辱、スペインのサンチェス首相も「イタリアは無責任」と主張し、多少の不協和音が生まれている。月末に予定される欧州首脳会談の成り行きを見守りたいと思います (6月29日早朝、移民問題に関しても各国の合意が得られたという速報が流れました)。

いずれにしても、この一連の出来事からは、サルヴィーニ内務大臣の非道徳性非常識という大問題が国際的にも露呈もしました。というのも『アクアリウス』が行き先を定められず海に漂う途中、大臣はその航海を『豪華客船の旅』と例えたり、『移民たちの天国生活はこれでおしまい』などという暴言を吐き、命がけで地中海を渡る決断をした人々の生命を冒涜するような態度を見せたからです。一笑に伏すような話ではありますが、たとえ万が一、ジョージ・ソロスが何らかの悪意を持ってNGOをファイナンスしていたり、『人身密輸』に謎の国際シークレット・サービスが関わっていようとも、難民の人々にはなんら関係がありません。一縷の希望を託して、生命をかけて海を渡る人々の運命を弄ぶようなことは許しがたいことです。

さらにSNSでは「僕は昨日までアクアリウスに上船していた乗組員だが、単純に『真実』を話すと言ったためにクビにされたんだ。真実をいうならば、難民の人々が過酷な航海をしているというのはまったく嘘で、実はみんな幸せだった。船にはビデオゲーム室があって、夜にはスロットマシーンやルーレットでみんなが楽しそうに遊んで過ごすんだ。一体どこからお金が出ているのかわからないが、誰もがいい服を着て、栄養も充分に行き届いているようだった」などという馬鹿げたフェイク告白ビデオが出回って500万回も再生され、16万件シェアされています。そういえばサルヴィーニも昔から、「アフリカから来た難民は5つ星ホテルで何不自由のない生活をしている」などというフェイクニュースを、SNSで平然と流していました。ちなみにSNSでフェイクを流した青年は、「こんな簡単に人々は騙される、ということを証明したかったのだ」などと語っています。

このような内務大臣を、ラ・レプッブリカ紙、コリエレ・デッラ・セーラ紙をはじめとする主要各紙も、強く問題視。きわめて批判的な記事を書いています。ラ・レプッブリカ紙傘下のL’espresso – エスプレッソ紙 (60年代からあらゆる政治スキャンダルを暴き続ける伝統的左派週刊誌)に至っては、マフィア「ンドゥランゲタ」が牛耳るイタリア南部で、アフリカ出身の日雇いの労働者たちのために、労働組合を立ち上げ闘うアボハカール・ソウマホロとサルヴィーニの2者を並べた表紙に「人間たち(ソウマホロ)、人でなし(サルヴィーニ)」とタイトルをつけ、レイシズムと徹底抗戦の姿勢を宣言しました。

ともあれ、『アクアリウス』は無事にスペインに到着し、ヴァレンシアのボランティアの人々が難民の人々を歓待、手厚いサポートを行うなか、イタリアに向け、難民の人々を乗せた沿岸警備隊の船やNGOの船が続々と訪れている。それらの船は上陸できないままにマルタ島の近海を漂い、マルタ島も「決して受け入れない」と頑と拒絶する、という酷い状況です。約800人以上の人々が、沿岸警備隊によりリビアに再送されたという情報もあります。夏がはじまり、これから難民の人々が本格的に海を渡る季節、イタリアを含める今後の欧州各国の即刻の対応は急務となりました。

一方、写真家オリビエロ・トスカーニベネトンは、サルヴィーニが「マフィアの片棒を担いでいる」と非難する、地中海で遭難しそうなっている(あるいは遭難した)難民の人々を救援するNGOを支持する旨を、広告スポットとして宣言したところです。

 

難民の人々を救護する『アクアリウス』の写真をスポットにし、NGOの活動を支持するベネトンのスポット。即刻『同盟』からベネトン・ボイコットの声が上がりました。

善良主義の終焉と非道主義の台頭

地中海を渡る難民の人々の、主な受け入れ国であった民主党政権時代のイタリア、そしてギリシャは欧州各国と難民の受け入れについて協議を繰り返し、結果、欧州はトルコと合意、トルコが国境を管理して、難民の人々の欧州への道を閉ざした。イタリアは前述したイタリアーリビア合意を結んで、それを少しづつ強固にしはじめたところでした。しかしイタリアに訪れる難民の人々の主な出発地点リビアは、2011年、ジャスミン革命の影響ではじまった内戦に介入したNATO軍の攻撃でカダフィ大佐が死亡、トリポリが陥落したのち壮絶な混乱に陥っている。

複数の政府が乱立するなかイスラム国が乱入、テロリストが跋扈し、統制を失った軍部が乱暴狼藉を繰り返すなか、リビア・マフィアが暗躍。強盗だけではなく、レイプ、誘拐、殺人、監禁、拷問が日常という、まるで地獄のような状況です。したがってイタリアが、合意通りに難民の人々の出発をコントロールすることは容易なことではありません。 そして、これほど多くのアフリカ難民の人々が、とめどなく欧州を訪れるようになった最も大きい原因と考えられるのは、カダフィ大佐が死亡してトリポリに穴が開いたからに他ならない。

しかも反乱軍を支援したNATO軍の中核を担ったフランス、英国 (もはや欧州の一員でもありませんし)は地中海を渡る難民の人々にしっかりと国境を閉鎖、自分たちの国では、もう手に負えない、とすべてをイタリア、ギリシャなどの沿岸諸国に押しつけようとしました。フランスに至っては、ベルルスコーニにカダフィ大佐を紹介されたサルコジ元大統領が、自らの選挙キャンペーン費用の大半を大佐に支払わせたにも関わらず、その直後にリビアをだまし討ち、攻撃する、というなんともグロテスクな経緯でした。

いずれにしても、かつて欧州各国に植民地とされたアフリカ大陸の国々の多くは、植民地から解放されてなお、そもそもの宗主国の搾取から逃れることが、現在になってもままならない。欧米勢力と癒着した汚職、収賄だらけの専制に苦しみ、内紛に巻き込まれ、原理主義過激派のテロに脅かされ、原油、ダイアモンド、鉄鋼、ウラン、金、チョコレート、コーヒーなどの農作物、海産物など、驚くほど豊かな資源が大陸を覆っているにも関わらず、それらの資源を欧米中が独占。アフリカの多くの国の人々が貧困から逃れられず、満足な医療も教育も受けられないという、想像を絶する南北の不均衡を生んでいる。

こういう状況にありながら、たとえばフランスにまつわるエピソードでいえば、イタリアーフランス国境付近で、先にフランスに移民した妹を頼りに国境を渡ろうとした女性が、国境でフランス兵にブロックされ、それ以上は前進できなかった、という事例がありました。そのアフリカ人女性は妊娠7ヶ月の上、緊張に満ちた長旅で持病が悪化、絶望に打ちのめされトリノの病院で亡くなっています。そしてこれはほんの一例で、難民の人々の国境を巡るトラブルは枚挙にいとまがありません。

サルヴィーニ内務大臣は、「戦争、内紛による難民は受け入れるが、貧困から逃れるために訪れる経済難民は追い返す。イタリアの貧困層を救うことがまず先決。イタリア人が第一だ」とトランプ大統領と同じ論理を振りかざしていますが、ならばアフリカ大陸、さらに中近東の資源の恩恵を受けることをまず諦めて、自国の資源だけで賄えばいいのです。そうすればイタリア至上主義どころか、経済そのものが立ちゆかなくなるはずです。

 

国境でのオペレーションに反対する2017年のデモで。

 

いずれにしても今回、難民の訪問が近年減少したにもかかわらず、フランス・ドイツはサルヴィーニの派手なパフォーマンスに反応、少なくとも当初は大きな歩み寄りを見せたことで、コリエレ・デッラ・セーラ紙は『(今までのイタリアの)善良主義は終焉した。しかしサルヴィーニの非道主義はより良い方法なのか?」という記事を掲載しました。

善良主義に飽き飽きしたイタリアの市民は、サルヴィーニの行動がエゴイズムが蔓延した欧州各国を目覚めさせるエネルギーとなった、と認識した。しかしサルヴィーニの非道主義では、世界を敵、味方に二分し、全てを抱合するキャパシティを失ってしまう。さらにそれは民主主義の終焉でもある。こんなことはそもそも内務大臣のやるべきことではないのだ。安全保障という非常にデリケートな公共財産である機構を守るために、通常内務大臣は、政党の主義主張からは自らを切り離すものだ。善良主義は、人々を受け入れながら( それは不正行為を働く人々を手助けすることにもなるのだが)、難民の人々の不正な輸送と断固として闘ってきた。しかし非道主義は、人間を認めない。あるいは難民の人々を不正な輸送の犠牲者ではなく、犯罪者であるかのように扱おうとする。そういうわけで、彼らを地中海の『豪華客船の客』で、一旦上陸したら天国のような生活を楽しもうとしている、と表現するわけだ・・・・

実際のところ、今までの民主党政権の善良なイタリアの方針ではなく、サルヴィーニの暴力的な拒絶のショックで欧州各国が、一瞬のうちに動いたのは不思議なことです。しかしながら、そのときふと思ったのは、新政府樹立の直前、ユーロ懐疑主義のハイキャリアのエコノミスト、パオロ・サヴォーナを財務大臣に両党が推挙した際「イタリアは『脱ユーロ』を企てているのでは?!」との憶測を呼んで市場が大荒れ、国債スプレッドが高騰したことでした。

このときのわたしは他の人々と同じように、市場がサヴォーナ財務大臣を却下政治混乱に嫌気し、組閣を催促したことで、イタリアは、ほぼテクニカルに政府を樹立する必要があった、と考えたのですが、実のところ事情はまったく逆で、イタリアは『脱ユーロ』もありうるぞ、という爆弾(市民にはさらさらその気がないとしても)で、市場恫喝したのかもしれません。もし万が一、欧州でGDP3位の経済国であるイタリアが『脱ユーロ』ということになれば、間違いなく欧州連合は解体です。

「ディ・マイオはともかく、『同盟』のサルヴィーニは何するかわからない、言うことを聞かないと、そのうち『脱ユーロ』の国民投票をする、と言い出すかもしれない」サルヴィーニはそんなイメージで、欧州におけるイタリアの存在感、威信を取り戻そうとしているようにも見えますが、それはコリエレ紙が書くように、内務大臣の仕事ではありません。さらに、こんな暴力的なアプローチでは、うまくいくはずの話し合いも頓挫しかねない。

それでも今回驚いたのは、サルヴィーニが『アクアリウス』の入港を拒否したことに、イタリア国民の57%が賛成した、という調査結果が出たことでした。しかし、こういう状況下で決して忘れてはいけないのが、『同盟』は今でもベルルスコーニ(異様に静かな)の『右派連合』に属したままだという事実です。ベルルスコーニは『鉛の時代』、『秘密結社ロッジャP2』のリストに名前を連ね、マフィアとの癒着も疑われる謎の多い人物だということも覚えておかなければいけません。また、かつての『北部同盟』にもマフィア絡みの寄付金疑惑が囁かれています。

なにより今回、『同盟』の存在を大きく凌ぐはずだった『5つ星運動』にとって痛手だったのは、ローマのサッカースタジアムの建設を巡る収賄絡みのスキャンダルでした。『5つ星』が指名したAcea(水、電力、ガスを扱う主要エネルギー会社)の総帥が大手建設業者からの収賄疑惑で突然逮捕され、ラッジ市長を直撃。国政に関わるメンバーにも嫌疑がかけられていますが、ここはひとつ全力で踏ん張って、『5つ星』に以前の勢いを取り戻して欲しい、とわたし個人は考えている。民主党なき今、『5つ星』が倒れるようなことにでもなればイタリアは、ベルルスコーニをシンボルとする金満家たちがフラットタックスで優遇される、暴力と差別とイタリア・ファーストの『サルヴィーニ・フェスティバル』となってしまいます。

危険なサルヴィーニ効果と、ロムの人々への圧力

6月18日の夜には、2人の移民の青年が、近づいてきた黒いFiatに乗った3人のイタリア人に、突然銃で打たれて怪我をする、という事件がありました。しかもそのイタリア人たちは犯行当時「サルヴィーニ、サルヴィーニ!」と叫んだというのです。男たちは、他の移民の若者たちに向かって無差別に発砲したそうですが、幸いなことに的を外しています。しかしサルヴィーニの心酔者から、こんなテロリストが現れるなんて、これじゃ原理主義者の過激テロとなんら違いはない。また、このような現象が他の極右グループを勢いづかせることになるのでは、と強く危惧もします。

ラ・レプッブリカ紙によると、この2人の青年は、戦争と貧困、干ばつで混乱するマリ共和国から2年ほど前に移民。カンパーニャ州カセルタの慈善プロジェクトsprarの保護のもと、ウルスラ会修道女のカリタス麻繊維工場を改装し、チェントロ・ソチャーレ(反議会主義文化グループ)が運営する移民の人々の住居で暮らしていました。ひとりの青年は、ようやく滞在許可証を得たところだったのだそうです。前述しましたが、数週間前にカラブリアで、アフリカ青年が理由なく銃で打たれ亡くなったところでもあり、犯人も未だ見つからないまま、2人の青年は非常に怯えています。また、その直後のナポリでも、軽症で済んだとはいえ、アフリカ人青年を狙った同様の事件が起こりました。

さらにサルヴィーニは、今度はロムージプシーの人々にも矛先を向け、「ロムの国勢調査を行い、イタリアの市民権をすでに持っている者は、残念ながらイタリアに滞在させなければならないが、市民権のない者は、即刻イタリアから追い出す」とも宣言。このCensimentoー国勢調査という言葉は、イタリアの人々に、重い過去を思い出させる言葉でもあります。というのも、80年前の1938年、ムッソリーニ政権下で制定された『人種法』のもとで行われた国勢調査で、ユダヤの人々はすべてリストアップされ、そのリストに名が連ねられた人々は、そのままアウシュビッツへと運ばれることになったからです。その後のイタリアでは民族的な国勢調査は禁じられています。

今回のサルヴィーニの発言で、その過去を思い起こした野党、ジャーナリストたちは一斉に『憲法違反』と大反発。『5つ星』のディ・マイオ副首相兼労働大臣が、改めて「民族的な国勢調査という憲法違反を認めるわけにはいかない」と発言し、サルヴィーニはとりあえず撤回しましたが、それでもロムの人々への弾圧は「諦めない」と断言しています。事実、『同盟』から市長が選出された地方自治体では、シンティージプシーの家族が住むバラックを、当局の許可なく打ち壊すという暴挙に走り、イタリア南部ではロムの人々のキャンプをカラビニエリが急襲、37名の逮捕者を出した地区もありました。

その破壊行為に、サルヴィーニは#Primagliitaliani(イタリア・ファースト)というハッシュタグで、「言葉から行動へ」とツイートしていますが、これはわれわれのような(いわゆる)善良主義の市民の怒りを駆り立てる一種の挑発です。真夏に向かって毎日暑さが増す季節、イタリア市民はこの挑発に乗ることなく、冷静に対処しなければなりません。

 

この数週間で、少し気になった記事の要約

そういうわけで、サルヴィーニ内務大臣の暴走に、BBCやガーディアンなどの外国メディアも危惧を呈するほどの話題となり、ジュゼッペ・コンテ首相の影はすっかり薄くなってしまいました。賛成派にしても反対派にしても、口の端に上るのは、内務大臣の発言と行動ばかりの数週間で、それは現在も続いています。 こういう状況で、たまたま読んだふたつの記事が多少気にかかったので、要約しておきたいと思います。

もちろん、その背後に緻密に練られたメカニックな謀略がある、と思っているわけではありませんが、世界に広がりを見せる『極右+ポピュリズム文化』の傾向はどこからはじまったのか、少し探っておきたいと考えました。 いずれも、現在は解雇されているとはいえ、元トランプ大統領の強力なアドバイザー、ホワイトハウスのラスプーチンと言われたスティーブ・バノンに関する記事です。

解雇された後、バノンは欧州にしょっちゅう来ているようで、ここ数週間は特に、ことあるごとに名前を耳にしました。 6月3日付のラ・レプッブリカ紙は、ローマにもかなりの頻度で訪れているらしいバノンをインタビューしています。「同盟、そして5つ星にもアドバイス。今、ローマこそが世界の中心だ」という、イタリア至上主義者たちが大喜びしそうな記事のタイトルでした。

そのインタビューでバノンは、「ローマは、いまや世界政治の中心。ここで起こっていることは、尋常ではないことだ。近代になって純粋なポピュリズムが政府を担ったことはないのだから。だからわたしはここにいるんだ。その一角でありたいからね」と話しています。 「わたしがサルヴィーニと『5つ星』の連帯を決定したわけではなく、ただこの政府を試してみてはどうか、と説得しただけだよ。わたしが決定した、と言っているはイタリア人たちだけだ。わたしは単にアドバイスして、彼らがそのアドバイスを聞いたんだ」(略)「外国メディアはディ・マイオとサルヴィーニを政治初心者と見ているが、実のところ、非常にソフィスティケートされた人物たちだ。何もないゼロの状態から、ネットを駆使して人々の合意を取り付けたわけだからね。イタリア人たちは誇りを持つべきだよ」(略)

サルヴィーニが『5つ星』との連帯に乗り気でないとわかったとき、あなたはなんと説得したのか、との問いには「連帯するのはいい考えだと思う、と言っただけだよ。誰にも説得していない。というのも、(連帯こそが)論理的に正しい結論だったのだから。ディ・マイオとサルヴィーニは英雄だよ。そしてもうひとりの英雄はベルルスコーニだ」と答えています。サルヴィーニとは選挙の後に知り合い、どれぐらいの頻度かは明らかにしていませんが、頻繁に会っている様子です。また、詳細を語ってはいませんが、ディ・マイオとも会ったような話ぶりでした。

今後ヨーロッパに何が起こるのか、と問われると「コンテ政権のせいで欧州には大地震が起こるだろう。まだ君たちには『同盟』と『5つ星』が連帯して何をするか想像できないと思うがね。フィナンシャル・タイムスは彼らを野蛮人と呼び、ドイツは彼らを『おんぼろ』と呼び、(ギュンター)エッティンガーは、イタリア人は市場の動きを見て投票の仕方を学ぶだろう(政局混乱の際に市場が荒れ)と言った。しかし大嵐を起こす風はすでに集まっているイタリアとハンガリーの選挙の結果は、明らかに(人々の)アンチ移民を物語っている。(欧州連合の)終焉だ。ブリュッセル(欧州連合)の専制と、(国債)スプレッドによるファシズムは崩壊する。『ユーロ』の存続についてはイタリア国民が決定するだろう。そのうち君たちは、欧州連合ではなく、自由な国々として、他国と同盟を結ぶことになる」と、不吉な予告をしています。

さらにバノンは『右派連合』の肝の政策であるフラットタックスを賞賛。2008年のサブプライム危機からポピュリズムが世界中に広がりを見せ、しかもその時代はたった今はじまったばかり。今後大変な勢いで発展していく、と分析している。トランプに解雇されるぐらいの人物ですから、それほど信用できないとは思ってはいても、その自信満々の受け答えは、得体の知れない不安をかきたてます。

 

 

そんなインタビューを読んだあと、難民の人々の情報を知りたいと買った6月15日号のインターナショナル紙にも、スティーブ・バノンに触れたコラムを偶然見つけました。BBC、リベラシオン紙の特派員であるフランス人ジャーナリスト( Natalie Nougayrède) が「バノンの欧州ミッション」というタイトルで書いたコラムで、バノンの人物像、その思想と動きを考察した短い記事でした。

彼女は、ポピュリズムのミッションのため、何度もバノンは欧州を訪れて、「極右+ポピュリズムの反乱」を説いて回っているというのです。イタリアに樹立したポピュリズム政権彼の説を正当化するひとつの証拠になり、しかもバノンは、イタリアだけでなく、プラハ、ブダペスト、パリにおいても大きな賞賛を受けています。

確かにバノンは、すでにホワイトハウスから追放され、極右情報サイトBreitbartも解雇された人物で、彼の英語圏における影響力は限られている。現在は単純にトランプ大統領の注意を惹くために動いているとも考えられます。しかしトランプから離れたと同時に単純に、だから今度は欧州を標的にした、とは考えにくい、とも彼女は言う。バノンが煽ろうとしているのは欧州における、ナショナリストとグローバリストとの闘いであり、トランプが大統領選挙に立候補する以前から、欧州の極右勢力と強い絆を結ぼうと動いてきたという経緯もあるのだそうです。

たとえば2014年にはヴァチカンの所有する建物で、カトリックのウルトラ保守グループ( これはフランチェスコ教皇の自由な発言と改革の機運に反発し続けるグループと思われます。現在ヴァチカンで、教皇派、保守派の反教皇派の諍いが起こっていることは周知の事実です。『同盟』は、カトリック原理主義者を多く擁しています)を前に、自身の持つ世界ヴィジョンを披露しています。

バノンはイタリアの新政府をポピュリストと極右の『歴史的な連帯』と位置づけ、プラハでは戦後の自由主義は退廃の源泉であったと明言。マリーヌ・ルペンの集会では、「差別主義者、クセノフォビア、ホモフォビア、ミソジニーと呼ばれても気にするな。誇りを持て」と激励していると言います。そこで彼女は、欧州の極右グループに大きな影響を及ぼすバノンの、(欧州における)計画はいったいどういうものなのか、どこから彼はファイナンスを得ているのか、2019年(の6月に予定される)欧州議会選挙に何らかの影響を及ぼすのか、本当にバノンはただ脚光を浴びたいだけの『ご都合主義者』でしかないのか、と疑問を呈している。

トランプ大統領の欧州への敵意は周知のことですが、トランプ大統領は、たとえ欧州連合が破綻しても、米国には何ら影響はないとも考えている。また、彼女は、バノンの欧州訪問の時期がトランプ大統領が仕掛けた関税を巡る貿易戦争時期と重なるのも興味深いと分析。バノンは欧州統一通貨『ユーロ』が終焉し、欧州の自由主義が大敗を期した場合、欧州は『自由主義だがそれぞれ独立した国による連合』となる、と予見しているのだそうです(要するに、いまだ脆弱ではあっても、今後威力を増すかもしれない『ユーロ』の崩壊を予言している、ということでしょうか)。

実際のところ、バノンが推奨し続けてきたエリートたちへの文化的な戦争をしかけ、欧州連合のあるブリュッセルにはひたすら攻撃的な態度をとる、という考えはヨーロッパを席巻しはじめています (まさに、それこそイタリア新政府の主張です)。もちろん、バノンというひとりの人間が、それほどの影響力があると買い被る必要はないのでしょうが、バノンこそがトランプを選挙で勝たせた人物でもあるわけで、彼はどうやら国際レベルの極右勢力を誕生させようとしているのかもしれない、と指摘されている。 ヨーロッパの自由な民主主義を弱体化させ、極右勢力の反乱というイデオロギーの名のもとに労働者たちを守り、保護主義を広めようとする欧州でのバノンは、まるでトランプ大統領のスポークスマンのように振る舞っているそうです。

さらにバノンは、欧州はロシアを恐れる必要はなく、ユダヤーカトリック世界の敵である中国、トルコ、イランを中心に形成された連帯を恐れるべきだ、とも進言している。バノンとその連携グループが、欧州で政治的な『市民戦争』のリスクがあるとも語っているのは、なんとも不吉です。 記事は最後に、「バノンはまるでショーマンのようで、エクセントリックなデマゴーグには違いないが、彼の動きには注意を払うべきではないのだろうか。さもなければ、気づかないうちにひどい状況に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らして締められています。いずれにしてもサルヴィーニ内務大臣が、バノン・モデルを踏襲していることは明白です。

イタリアに住んでいると、周囲の誰もが『脱ユーロ』を望んでいる様子はありません。したがって『ユーロの崩壊』などというヴィジョンにはまったくリアリティがありませんが、近年、あっと驚く予想もしなかった出来事、例えばトランプ大統領の誕生であるとか、ブレクジットであるとか、ありえないはずのことが連続して起こり、その度に「えええ!?」と驚いた。さらにイタリアで、『5つ星運動』と『同盟』によるポピュリズム新政府誕生が紛うことなき『現実』となった今、われわれが目の前にする未来では、何が起こってもおかしくないのかもしれない、とは思います。

過度の心配はナンセンスですが、ちょっとしたきっかけで時代なんてコロッと変わることだけは、自覚しておいた方がいいのかもしれません。 #MaiConSalvini

RSSの登録はこちらから